子どもにとって最高の栄養素である
とことこRoomは、ただ悩みを聞くだけの場所ではありません。
子育て、仕事、お金、人間関係、心と体の不調。
いろんなものが重なって、もうどこからほどけばいいのか分からなくなった時に、
「大丈夫。ここから一緒に見ていこう」と言える場所をつくりたくて始めました。
代表の高梨子が看護師として働いていたころ、子育てと仕事の狭間で、心身のバランスを崩し、うつ状態を経験しました。
ちゃんとやりたい。母親としても、看護師としても、ちゃんとしたい。
でも、現実はそんなにきれいに回らない。
産後や子どもが小さい時期は、夜泣きや睡眠不足、仕事との両立、家事、周囲への気遣いで、自分のケアはどんどん後回しになります。
他のママには絶対に味わってほしくない。
そして、子どもたちには、すくすく育ってほしい。
その思いが、今の活動の土台にあります。
子育て中のママが心身ともにダウンしてしまうと、そのしわ寄せは子どもに向かってしまうことがあります。
虐待、過干渉、ネグレクト、毒親、不登校、子どものメンタル不調、アダルトチルドレン、子どもの自殺。 こういう言葉だけを見ると、とても重たく感じるかもしれません。
でも私は、そこに至るまでの背景を見たいと思っています。
こんな状態で、いつも優しく、いつも冷静に、いつも正しく子育てするなんて、そもそも無理があります。
だから、責める前に整える。 とことこRoomがやりたいのは、「もっと頑張ろう」ではありません。
それからまた、とことこ歩けばいい。
ずっと全力で歩かなくてもいい。
止まることも、休むことも、人生をあきらめることではありません。
自分のペースを取り戻すために、必要な時間です。
とことこRoomの「とことこ」には、子どもがよちよち歩く横を、手をつないで、ママもゆっくり歩いている。 そんな姿をイメージしています。
家事や育児、仕事に追われていると、気づかないうちに体にも心にも力が入ります。 本当は立ち止まりたいのに、止まったら崩れてしまいそうで、ガシガシ歩くしかなくなる。
私たちに話してもらうことで、少し力が抜けて、ひとつずつ自分のペースを取り戻していける。
そんな場所でありたいと思っています。
「大丈夫」の感覚
はじめは、希望を届けたいと思って、オレンジをイメージしていました。
でも、ロゴを足跡に決めた時、このあたたかいミルクティー色がしっくりきました。
希望の前に、まず必要なのは「大丈夫」と思える感覚なんだと思います。
土や土壌は、そこにあって当たり前のように見えるけれど、人や植物が育つためには欠かせないものです。
普段は後回しにされやすいけれど、本当は仕事も子育ても人間関係も、心と体の上に成り立っています。
とことこRoomでは、まずはどっしりと安心できる土台を取り戻すことを大切にしています。
ただ、見えなくなっているだけ。
私たちが一番大切にしたいのは、困っている人を「かわいそうな人」として見ないことです。
今、うまくいかないことがあったとしても、その人の中にはすでにたくさんの力があります。 経験も、感性も、我慢してきた時間も、人の痛みが分かる優しさも、全部その人の無形資産です。
まずは、話しても大丈夫だと思える場所をつくる。
ママの安心は、子どもの表情や行動にも伝わっていく。
家庭だけで抱えず、地域で支え合える形にする。
元気になった人が、今度は誰かを支える側へ回る。
苦しさの根っこから整えていく
一般的な子育て支援では、「頑張って」「大丈夫」「みんなそうだから」という励ましや、一時的な託児サービスが中心になることもあります。 もちろん、それも必要です。
でも、それだけでは変わらないことがあります。
なぜなら、子育ての苦しさの背景には、認知の歪み、社会制度への理解不足、経済的不安、孤独、そして「私は一人で全部背負わなければいけない」という思い込みがあることが多いからです。
早く届く仕組みをつくりたい
カウンセリングが必要な人ほど、継続して心理フォローを受ける余裕がない。 これは、すごく大きな問題だと思っています。
経済的な余裕のなさは、メンタル不調や対人トラブルのリスクを高めます。 でも、その一番必要な層が、早期に専門的な支援につながれない。
だから今後は、自治体、産院、小児科、児童発達デイサービス、支援級、地域の支援団体などと連携しながら、早い段階で認知行動療法や心理フォローを受けられる仕組みを提案していきたいと思っています。
今後のビジョン
私たちが描く未来は、「優しさの循環が生まれ続ける社会」です。
相談を受けた人が少しずつ元気になって、家族や周りの人との関係性が変わっていく。 そしていつか、「私も支援する側に回りたい」と思う人が増えていく。
昔ながらの地域コミュニティにあった、お互い様やお裾分けの精神。 それを今の時代に合う形で、心の支援、休める場所、子育ての支え合いとして循環させていきたいと思っています。
出張・オンラインカウンセリングを通して、心・体・お金・家族の悩みをまるごと見られる支援を広げています。 地域の中で、必要な人に早く届く仕組みをつくっていきます。
1年後には、札幌・石狩地域に実店舗となるカウンセリング室を展開します。 対面で安心して話せる場所をつくることで、より多くの方に専門的なカウンセリングサービスを届けられるようにしていきます。
2〜3年後には、夜泣きや睡眠不足で限界に近い母子が休める場所を開設したいと考えています。 完全防音のお部屋を3〜4室備え、子どもを預けてカウンセリングを受け、その後ゆっくり眠れる環境を整えます。 昼間でも夜でも、気軽に来られる場所を目指します。
併設のカフェでは、同じような経験を持つママ同士が自然につながり、互いに支え合える関係性を育てていきたいです。 休む、話す、つながる、支え合う。 その循環こそが、私たちが目指す未来です。
この事業で大切にしたいのは、支援を受けた人が、ずっと支援される側でいることではありません。
自分が少しずつ回復して、家族との関係が変わって、子どもとの関わり方が変わって、そしていつか、 「私も誰かの力になりたい」と思える人が増えていく。
特にシングルマザーや、過去に苦しさを経験してきた人は、その経験があるからこそ届けられる言葉があります。 きれいな正論では届かない人にも、同じ痛みを知っている人の言葉なら届くことがあります。
少し余裕がある人が、今しんどい人に手を差し出す。
そんな循環を、もう一度地域の中につくっていきたい。
とことこRoomは、相談の場所であり、休む場所であり、人と人がつながる場所であり、いつか支援する人が育っていく場所でもありたいです。
ここから、少しずつ歩き出せます。
すぐに元気にならなくても大丈夫です。
ちゃんと話せなくても大丈夫です。
何から相談したらいいか分からなくても大丈夫です。
とことこRoomは、あなたのペースを置いていかない場所でありたい。
立ち止まって、休んで、また少し歩き出す。
その小さな一歩を、一緒に見つけていきます。
